📖 売れる接客の教科書シリーズ
第1章(基礎〜販売):第1〜10話はこちら
▶ 第2章:個人売上 実践強化編
「売れた!よかった!」
その瞬間、あなたの頭の中はもう次のお客様に向いていませんか?
実は、接客の勝負は「売れた後」にも続いています。終わり方ひとつで、そのお客様が次回また来てくれるかどうかが決まります。
先輩との差を感じている販売員のほとんどは、アプローチや提案のスキルに目を向けます。でも意外と見落とされているのが「接客の締めくくり方」です。
私は現在も外資系ラグジュアリーブランドでプレーイングマネージャーとして働いています。チームの販売員を見ていると、再来店率が高いスタッフには「終わり方」に明確な共通点があります。
接客の最後5分が、次回来店を決めます。
新人がやりがちなNG3つ
まず、再来店を遠ざけてしまう行動を確認しましょう。
❌ 再来店を遠ざけるNG行動3つ
- 登録を促さない:「聞きづらい」と思って最初からあきらめている
- お見送りを途中でやめる:振り返ったお客様が誰もいない光景——これが最大のがっかりポイント
- 感謝の気持ちが薄い:「ありがとうございました」と言いながら、目線はもう次のお客様に向いている
どれも悪意があるわけではありません。ただ、お客様はその「温度感」を敏感に感じ取っています。
登録の取り方
再来店への最初の一手は「連絡先の登録」です。登録がなければ、どれだけ良い接客をしてもその後のフォローができません。
購入された方への声かけ
購入されたお客様には、何らかのメリットを伝えながら登録を案内するのがポイントです。状況に合わせて使い分けましょう。
- 「商品の保証登録のご案内ができます。お名前とご連絡先をいただけますか?」
- 「次回来店時に使えるご優待のご案内が可能です。登録いただけますか?」
- 「今後の新作・限定入荷の情報をいち早くお届けできます。いかがですか?」
お客様に合ったメリットを1つ選んで伝えるだけで、登録率は大きく変わります。
未購入の方への声かけ
「新作が入った際や価格改定の前にご連絡させていただくことができます。ご登録いただけますか?」
「次の情報がもらえる」「値上がり前に教えてもらえる」というメリットを先に伝えるのがポイントです。
断られたら仕方ない。
でも聞かないのは絶対にもったいない。
定型文では響かない——パーソナルなメール
登録後の最初のメールが、再来店のカギを握ります。
多くの販売員が送るのはこんなメールです。
❌ 定型文メール(響かない)
「本日はご来店ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」
これでは、コピーして送った文章だとすぐわかります。お客様は「また来たい」とは思いません。
✅ パーソナルメール(再来店につながる)
「本日は○○をお選びいただきありがとうございました。先ほどおっしゃっていた△△のシーンにきっと映えると思います。またお気軽にお立ち寄りください」
接客中の会話を1つ入れるだけで、「自分のことを覚えてくれている」という特別感が生まれます。この一手間が、他のスタッフとの決定的な差になります。
お見送りの極意——ここが最大の差になる
パーソナルなメールよりも、さらに即効性があるのが「お見送りの質」です。
売れる販売員のお見送り3原則
- お客様が見えなくなるまで見送る——途中で切り上げない
- 振り返った時に笑顔で応える——この一瞬がリピートを決める
- 感謝は大袈裟すぎるくらいでちょうどいい——遠慮せず全力で伝える
お客様は帰り際に一度振り返ることがあります。その瞬間にあなたが笑顔でいるかどうか——これが「また来たい」と思わせるかどうかを左右します。
逆に、振り返ったら誰もいなかった、あるいはスタッフがすでに別の作業をしていた——そのがっかり感は、どれだけ良い接客をしても打ち消してしまいます。
お見送りにコストはかかりません。でも効果は絶大です。
まとめ
接客の終わり方が、次回来店を決めます。今日から使える3つの行動はこれです。
- ✅ 登録を「聞く」——断られてもいい、聞かないのが一番もったいない
- ✅ メールに接客中の会話を1つ入れる——定型文をやめるだけで再来店率が変わる
- ✅ 見えなくなるまで見送る——振り返った時の笑顔が最大のリピート促進
購入後のフォローを仕組みにしたい方は、第6話「333ルール(3日後・3週間後・3ヶ月後のフォロー)」もあわせて読んでみてください。
📋 明日からできること
✅ 今日の接客で必ず登録を聞く:購入の方には「保証のご登録」、未購入の方には「新作・価格改定の情報」をメリットとして伝える。断られても気にしない
✅ メールに会話の一言を入れる:「先ほどおっしゃっていた〇〇のシーンに…」と一行添えるだけ。定型文に10秒加えるだけで別物になる
✅ お客様が曲がるまで見送る:今日から「角を曲がるまで」を基準にする。振り返った時に笑顔で応えるだけでいい
📖 次回予告
【第13話】現役ラグジュアリーブランドマネージャーが教える|迷うお客様の背中を押す決定率アップ術
「どちらにしようか迷っています」——この一言の後に何を言うかで、決定率が大きく変わります。


コメント